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UXploration

Explore the art of UX persuasion

Lean UX Quest in Tokyo at Lean Startup Update!! 2015

action

書籍『Lean UXーリーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザイン』が刊行されて1年が経過しました。年明け1月に刊行されたこともあり、2014年を Lean UX と共に盛り上げていけるよう公私共に様々な冒険(クエスト)という名の活動を繰り広げてきました。Lean UX Quest と題し、これまでの取り組みを振り返ってみたいと思います。

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尚、当記事は昨日開催された Lean Startup Update!! でお話させていただいた内容を基にしています。

STORY 1: PUBLIC

大変嬉しい事に、刊行直後には Lean UX の第一人者である Janice Fraser氏が来日し「Lean Startup マスターワークショップ」と題した1日ワークショップを実施しました。Janice氏は「Get Out of the Building!」思想をとても大切にされており、当日のワークショップも大半の時間を外で過ごすチームもいました。

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仮想のサービスの立ち上げに際して事前にチーム内でリストを洗い出し、解消するための実験を介した顧客開発・顧客理解を主とし、得られた学びをチーム及びワークショップ参加者全員に共有することで実験の大切さ、学びの大切さを教えてくれました。

更にその3ヶ月後には『Lean UX』の著者である Jeff Gothelf氏が来日しました。Janice氏同様に1日ワークショップ形式で行われましたが、Jeff氏は仮説ステートメントの作成に重きを置き、より科学的な実験を行うためのフレームワークや方法を伝授してくれました。

We believe [This feature(機能)] for [this persona(ペルソナ)] will achieve [these outcomes(得られる効果)] by measuring [metrics/KPI(主要な指標/KPI)]

当日の内容はグラフィックレーコンディングとしても記録されているので、ぜひご覧になってみてください。

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2014年3月6日にはGREEにて出版記念イベント『Lean UX が拓く最適なデザイン』を開催しました。企業規模や事業形態を問わず、3名のゲストスピーカーをお招きし最適なデザインを実現する際に求められるデザイニング・カルチャーの重要性やそのカルチャーをつくる上でのポイントを Lean UX を基点にディスカッションを行いました。

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当日はなんと400名を越える方にご参加いただき、大成功に終わりました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

STORY 2: PRIVATE

Janice Fraser氏と Jeff Gothelf氏。このお二人に来日していただけたことはとても貴重な機会であり、多くの学びを得ることが出来ました。「考える」と「つくる」。それぞれに重きを置いたお二人のワーク内容を参考に、2014年下期では計6社にお邪魔してプライベートなワークショップやパイロットプロジェクトをご一緒させていただきました。

特に印象的であったのは Yahoo! JAPAN 様でのワークショップでした。一部のカンパニーの約半数の社員、約300名を対象としたワークショップを計17回に別けて実施し、Lean UX の社内浸透を担当の方と一緒に検討を進めてきました。様々な方から貴重なご意見等をいただくことができ、本書に習い様々な試行錯誤を繰り返して行きました。

ワークショップでは Lean Analytics でも言及されている CPS 仮説検証モデルに従い、担当されているサービスの顧客情報やサービスの要素を書き出していただくことで、実証するための軸設定を主としました。

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  • 思い浮かべている顧客は本当に実在するのか?
  • 対象の顧客が抱えている問題は実在するのか?
  • その問題に対して対象のサービスは解決に繋がっているのか?

などの思い込みを排除し、実証に繋げることが目的です。ワークでは前述した Janice氏や Jeff氏の教えを参考にプロトペルソナシックスアップスケッチ*1を取り入れ、Lean Startup に UX のエッセンスを加えた文字通り Lean UX の実践に務めました。

リーンキャンバスなどを用いて関係者間の認識を統一するためには、情報の非言語(ノンバーバル)表現が有効です。例えば30代主婦をサービスのターゲット・セグメントとした場合でも、ひとりひとりが思い浮かべる30代主婦は異なるはずです。どこに住んでいるのか?子供はいるのか?子供とどのような生活をおくっているのか?自分時間をどのように有効活用しているか?など言語的情報では分かり得ない情報をよりフォーカスすることで発見することができ、共通言語化すると共に言語表現では見えてこない潜在的欲求を探求することができると考えています。

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ワークショップにおける最終的なゴールは実際の現場に応用し、即実行できる状態をつくりあげることでした。そのために CPS の軸に従った実証を進めるための MVP の設計や検証方法を指定の時間軸に従って整理していきました。この場合は2日、2週間、2ヶ月という制限を設けることによってアイディアの散乱を防ぐことを念頭に置きました。

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最後にワークショップ以外にも実際に新規サービスの現場に応用すべく共同でパイロットプロジェクトを進めている企業様もいます。まだ実験中ですので半年後には良いご報告ができるのではないかと個人的には思っています。

なぜ Lean UX なのか?

著者が Lean UX を推奨する理由は大きく別けて4つあります。

  1. どのようにつくるかではなく、どのようなものをつくるかにフォーカスしたマインドセットを養うことができる。
  2. 問題解決よりも問題の発見と定義に重きを置くことでサービス価値の最大化に貢献できる。問題解決(サービス)の質は、定義している問題の質と比例していると考えています。
  3. 透明性を維持し、共創文化を醸成する。本来のモノづくりはどうあるべきなのか?Lean UX を実践することによってその問いの重要性に気付かされます。
  4. ユーザーのみならず、メンバーからの学びを大切にする。人数の分だけ学びは存在すると考えます。

STORY 3: LEAN UX CIRCLE

Lean UX は組織文化をデザインすることと等しいと考えます。そのため、組織への浸透は容易ではありません。共創を組織内だけに留めず、社会全体の共創を促す場として本書『Lean UX』を基点に Lean UX を浸透・実践・普及させるための有志による団体Lean UX Circleを2014年夏に立ち上げました。

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今では88名のメンバーが在籍し、Lean UX に関する様々な問題を解決する場として月1の頻度でクローズドな環境下で活動をしています。

Lean UX Circle の活動も Lean Startup / Lean UX の要領で改善を重ねてきました。参加されているメンバーの解決したい問題を軸に集まったメンバーで発想・創造を繰り返し、アイディアをテストした結果を月1の活動で共有することで、学びを促進する Build-Measure-Learn(Think-Make-Check)を体現しています。

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活動開始から約半年が経過し、2015年3月の最終報告会に向けて追い込み期間に突入しています。以降の活動については未定ですが、2015年も冒険は続けます。ご興味がある方がいらっしゃればお気軽にご連絡ください。

正しくモノをつくろうとするのではなく、正しいモノをつくろう。

最後に、他の登壇者のプレゼンテーションも非常に刺激的な内容でしたのでご紹介します。

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*1:プロトペルソナ並びにシックスアップスケッチの概要はテンプレートはこちらをご参考ください。

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