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事業計画・推進に求められる2つのプロペラ〜Balanced Team & Product Stewardship〜

先日、Media Technology Lab が主催するイベント「UX Sketch Vol.2」にて事業計画に求められる2つのプロペラと題し、サービス設計に向けたヒトづくりに求められる2つの思想ーBalanced Team と Product Stewardshipーについて事例と共にお話してきました。当記事はその内容のサマリーになります。

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なぜヒトづくりか?

これまでさまざまな UX 関連のイベントやセミナーに登壇・参加させていたきましたが、議論されている大半の話題は:

  • 如何にして品質の良い「モノ」をつくるか
  • どのように「モノ」をつくるべきか
  • どのように「コト」を設計すべきか

といった、モノやコトに特化している内容でした。しかしながら、当ブログでも何度もご紹介しているサービス・デザインへのパラダイム・シフトを背景に、モノによって構成されるコトを届けるヒトそのものの体験を考えなければなりません

言うなれば、UX デザインを実行・遂行するための UX デザインを考えていかなければなりません。

なぜなら、どんなに魅力的でテクニカルな話題を取り上げたとしても、導入する際には必ずと言っていいほど、ヒトの問題に直面するからです。

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これからは、これまでのモノやコトに踏まえて、これまでにあまり議論されてこなかったヒトにより特化したダイアログを始めていくべきではないでしょうか?

 

ここで言うヒトづくりとはなにか?

当記事で言及するヒトづくりには教育の概念は含まれていません。どちらかといえば、サービス設計を遂行する際の複数人が関わる実行スキームや体系構築のことを指します。そして今回のテーマである2つ思想こそが、そのヒントになると考えています。

Balanced Team

Balanced Team(バランス・チーム)とは、

  • 事業責任者/プロダクトマネージャー
    介在価値:意思決定を適切なヒトに促す
  • UX デザイナー/デザイナー
    介在価値:顧客課題を特定し、優先度を見極める
  • デベロッパー
    介在価値:顧客への成果を継続的にモニタリングする

の3つの「個」によって形成されるチームのことを指す、サービスづくりに必要なヒトのバランスの最適解を図るコンセプトです。

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役職だけ聞くと当たり前かもしれませんが、ここでは役割についても触れていきます。米国では Balanced Team をテーマとしたコミュニティが存在し、それぞれの役割について活発な議論がなされています。当ブログでは細かくは言及しませんが、詳細は当日使用した資料をご参考ください。

 

 

人数が多い場合でも Balanced Team 内の役割を遂行する人員は各1名づつが理想です。すべての情報を集約し、サービスをマネジメントしていくためのリーダーシップを担う人員で形成されているチームとなります。責任者の集まり、ではなくそれぞれがリーダーシップを発揮し、発言する体制を整えることで課題への素早い対応が可能になります。

Product Stewardship

2つ目のプロペラである Product Stewardship(プロダクト・スチュワードシップ)とはアジャイル開発から生まれた思想であり、前述の Balanced Team に加え、サービス・エコシステムを形成するステークホルダー、そしてサービスを利用するユーザーのバランスを最適解を図るための考え方です。

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  • ステークホルダー:
    外部パートナー含むサービス運営者全員が、ユーザーとのタッチポイントを形成していることへの当事者意識を持つ。
  • ユーザー:
    ユーザー中心、ではなくユーザーと一緒にサービスを構築していくユーザードリブンな関係性を構築する。
  • バランスチーム:
    自社組織とほか2人の「ヒト」との接点を担い、ニーズを抽出すると共にサービスに反映・展開する。

事業計画フェーズでは主要なステークホルダーを交えながらビジネスモデル等の評価をユーザー視点で行い、事前に克服すべき課題を抽出すると同時にサービスの提供価値や KPI を定めることが求められます。また、顧客とのタッチポイントを担う各人の役割を明確にすることでコトを体現するための基盤を構築することができます。

ユーザー中心ではなく、ユーザードリブンというお話をしました。これが意味することとしては、ユーザーとのヒアリングを定期的に実施し、前述のシナリオ評価を客観的に行いユーザーと共創していく姿勢です。結果としてサービスにおける対ユーザーのコミュニケーションプランや UX 戦略を策定することで構想だけに留めずに、実行に移すための足がかりを掴むことができます。

 

まとめ

冒頭でも記述しましたが、テクニカルな話をいくら広げようとも直面する課題は常に同じであると考えます。それは今回のテーマでもある「ヒト」に関する問題です。

どのようにモノをつくればいいのか、どのようなコトを実現すればいいのか、のみで会話するだけではなく、それらモノやコトコトを実現するためにどのようなヒトがどのように関わっていければいいか、文字通りユーザーだけではなく組織内外におけるヒトの UX デザインをもっと追求していくべきです。

事業を、ないしはサービスを計画し、推進していく我々が UX デザインを語る上で今後時間を割かなければならないのは、我々が介在することで生み出される価値、つまり介在価値の最大化を図るための実行スキームと関与するヒトの役割及び体系を考えることです。

「素晴らしい体験は、素晴らしい組織からしか生まれない」をモットーに著者も現職では実行スキームと体系の構築に少なくとも1ヶ月を費やすようにしています。

今回ご紹介した2つの思想がみなさんのサービスや事業、組織を前進させるためのプロペラとして機能することを願って。

 

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