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組織の新しいカタチ「Holacracy(ホラクラシー)」

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突然ですが、Holacracy(ホラクラシー)という言葉を耳にしたことはありますでしょうか?

日本ではまだ参考文献が少ないためご存知の方は少ないかもしれませんが、サービスデザインないしは組織デザインのための学習の一環として調査し、まとめてみました。

Wikipedia によると、ホラクラシーとは従来のようにトップダウンのヒエラルキーによって意思決定がなされるのではなく、組織全体に権限を分散させ意思決定させることで、自走する組織を保つための社会技術または組織のガバナンス・マネジメント方法*1と定義されています。

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(c) All Rights Reserved.

企業、NPO問わず今ではアメリカを始めフランスやドイツ、オーストラリア、イギリスで導入実績があるとのことですが、有名なところでは Airbnb、Zappos、Medium が導入例として紹介されることが多く、日本でも一部記事によって紹介されています。

「ホラクラシーの下では意思決定機能が組織全体に広げられ、人々は役職ではなく役割を与えられる。伝統的な組織では、目標や目的、さらにタスクまでもが上から個々の担当者に流れていくものだ。我々のやり方では、マネージャーというのは基本的に世話役に過ぎない。マネージャーは、作業担当者の障害を取り除くために存在しているんだ」

Airbnbの「マネジメントしない」マネジメント方法とは:前編 | ReadWrite Japan 

「このホラクラシー、元はと言えばソフトウェア会社で開発のために考えられた、昔ながらの上から下に命令を下す形態を、「自律したサークル」のようなものに置き換えた形です。理論的には、このシステムを導入することにより、社員は会社の経営に関してより発言権を持つようになります。根本的には、ホラクラシーは、「人」中心ではなく、「やらなければならない仕事」を中心に、会社を組織するのが目的です。その結果、社員には肩書きが必要なくなったのです。社員は、明確な目的を持っていくつかの職務を担当します。1つのチームや部署で働くのではなく、大抵は複数のチームの一員として、それぞれの場所で特定の役割を果たします。」

「すべての階級を廃止」米Zappos社が導入した組織管理システム「ホラクラシー」は成功するか? | ライフハッカー[日本版]

なぜ、ホラクラシーなのか?

ホラクラシーの浸透によって、組織が本来どのように構造化されるべきか、どのように意思決定がなされるべきか、どのようなガバナンスレベルが行き届くべきかを改めて見直し、変化を受け入れる組織へシフトするきっかけが生まれると考えています。

いまではグーグルやマイクロソフトのような巨大企業で働く従業員も、企業が益々組織的になっていくことに嫌気が差し、スタートアップに転職するケースが増えていると聞きます。

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(c) HolacracyOne, LLC

簡単にまとめると、ホラクラシーには4つの特徴があると言われています。

  1. 柔軟な組織
  2. 効率的な組織運営
  3. 役割の明確化
  4. 主体性の強化

ホラクラシーの歴史

2007年に Ternary Software とうソフトウェア会社の創設者である Brian Robertson 氏がまとめた公文書*2によって浸透したと言われており、元々の語源は1967年に Arthur Koestler 氏の著書「The Ghost in the Machine」で提唱されたホラーキー(holarchy)から来ており、ギリシャ語の holos(Whole / 全体)が由来となっている。ホラーキーは独立独行でありながらも全体の一部であるという認識のもと、全体を司る一部でありながらも独立した一部である、という双方の機能を保持していることを意味します。

ホラクラシーはイテレーティブ(反復)な組織運営や適応プロセス、自律組織などのキーワードで説明することができますが、その根底にはアジャイル開発やリーン生産方式の思想が根付いています。

ホラクラシーの主要原則

前述した Robertson氏がまとめた公文書は今では彼が所属する HolacracyOne の公文書として発表されておりますが、ここでホラクラシーの原則をいくつかご紹介したいと思います。

活発化する役割

ホラクラシーにおける組織構造の積み木となるのが、役割です。ホラクラシーには役割と、その役割を更に活発化させるための「エナジャイザー」の存在が不可欠であり、自身の言葉でキャパシティやポテンシャル、機能すべき役割や期待できる結果を表現できるように促さなければなりません。まるで上下がない、団体スポーツにおけるポジションのようです。

役割は、肩書きや職種のことではありません。ひとりが複数の役割を担うことも可能になるということです。参考までに、HolacracyOne の組織構造をこちらの公式サイトよりご覧ください。

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(c) HolacracyOne, LLC

インタラクティブに各円型組織を閲覧できるようになっています。小さいひとつひとつの円が人です。詳細を確認すると、役割と決定権限がある内容の一覧等が組織内で明確になっていることが分かります。再度言及しますが、役割であり、肩書きや職種ではありません。そのため、複数の役割を保持している方が複数名か存在するものの、役割上の重複が見られないことが特徴です。

円型の構造

ホラクラシーにおける組織構造は、バラエティに富んだ役割が円型に集合して構成させる自律組織です。ひとりひとりが創造し、実行に移し、評価するためのプロセスを常に保てるようにしなければなりません。円型の組織では自身で組織運営に向けた会議を実施し、役割を新たに設け、メンバーを選発するなどの取り組みを自己責任のもと遂行っします。円型の組織ではひとりひとりの役割のリンクが重要です。

ガバナンス(統治)の強化

円型組織は複数存在する場合もあります。それぞれに生まれる円型組織では独自で定義すべき組織運営のためのガバナンスを周囲の役割や方針に従って定めていく必要があります。ホラクラシーではすべての円型組織を統合した意思決定の方法論を用いることで、多種多様なインプットをそれぞれの円型組織から自動でかつ効率的に入手できるようになります。

オペレーションプロセス

ホラクラシーにおける組織運営では、様々なオペレーション上のニーズに応えるべくそれぞれの円型組織のメンバーが自身の役割を果たすために効率的に、かつ協働的に運用されるべきです。そのため、会議においても意思決定権がひとりひとりに分散されているため、会議が効率的に開催されることが特徴として挙げられます。

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(c) iStockphoto

ホラクラシーは未発達?

但し、ホラクラシーはいいことばかりではないようです。

昨年に独自のマネージメントやリーダシップ論を提唱している Steve Denning氏を発端とした反論*3も生まれてきています。そのひとつに、アジャイル開発やリーン生産方式をモチーフにしているホラクラシーモデルには顧客視点が不足していると指摘しています。

すでにホラクラシーを導入している有名企業のひとつに Zappos 社などがありますが、Zappos 社は創設時よりすでに顧客中心の組織であったが故に成功していると考え、顧客中心の発想が根付いていない組織には専属部隊の欠如により不向きなのではないか、と加えています。

あくまでもひとつの反論ですが、ホラクラシーの商標登録をしている HolocracyOne ではそれぞれの指摘に対する意思をブログで表明しています。また、既に導入している企業と連携することにより、未だ歴史が浅いホロクラシーの更なる進展を目指しているようです。

従来のマネジメント体系であるヒエラルキーとは異なり、ホラクラシーは市場変化が激しいIT特有のマネジメント体系かもしれませんが、引き続きウォッチしていきたいと思います。

関連記事:

*1:Holacracy - Wikipedia, the free encyclopedia

*2:Robertson, Brian (June 2007). "Evolving Organization". Integral Leadership Review 7 (3).

*3:Making Sense Of Zappos And Holacracy - Forbes

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