WebUX研究会×ShibuyaUXの共同HCDワークショップ

先週末は横浜デジタルアーツ専門学校の浅野先生(@314satoshi)主催の「WebUX研究会×ShibuyaUXの共同HCDワークショップ」に参加してきました。

会場を提供してくださったのは GMO メディアさん。実は就職活動時に受けていた企業のひとつです。浅野先生の講義から始まり、残りは約3時間かけて HCD プロセスに基づいたワークショップを行いました。

当日の詳細は浅野先生のブログにて掲載されているのでそちらをご覧いただきたいのですが、4人から5人1組でチームを組み、IDEO 時代の深澤直人さんが当時手掛けていたという「ゼリー」を題材としたオブザベーションからの分析にフォーカスしています。

UCD - 1

その後、カードソートやペルソナ作成、コンセプトの提案までのワークフローをノンストップで進めました。ひとつ引っかかったのはペルソナの作成。被験者を3名募って観察して得られた行動パターンをカードソートでカテゴリ別に分類し、グルーピングしていきながら特定の人物像を作り出していく作業をするのかと思いきや、カードソートを実施した時点で洗い出された課題から既にソリューションを導き出しているチームが多かった印象を受けました。

事前の調査資料が皆無だったため、被験者の行動観察で情報を収集するほかに道はなかったのですが、被験者を選定するタイミングである程度こちら側が検証したいユーザの属性や仮設を設定する必要がありました。結果としてカードソートでペルソナをつくる際にまとめやすくなりますし、関連性のない情報(ノイズ)を排除することができます。

しかしながら、被験者もチームメンバーから選定するため、属性も生活スタイルも見事にバラバラ。せめて性別や年代が近い被験者に焦点を当ててテストを依頼するしかありませんでした。今回は課題として与えられたゼリーを提供する会社(ビジネス)側の要求について一切触れられていなかったため、事前にチームで仮想のビジネスニーズをつくりあげました。

UCD - 2

後付けになってしまいますが、被験者の属性に寄せたビジネスニーズを設定し、ペルソナも観察した行動パターンから得られたユーザニーズにマッチした人物を作成しました。被験者インタビューから得られたインタビュー結果もペルソナとして設定した人物のライフスタイルと合致していれば妥当性はあります。

ビジネスニーズの設定は UCD と無関係なのでは?と思われているかもしれません。これはあくまでも個人としての知見ですが、ある程度の制限がなければ人間中心設計の必要性の特定ができずに事を進めてしまう恐れがあると思います。必要性が特定できなければ導入する意味や目的が不明瞭のまま、なんで UCD って必要なの?と突き詰められて終わってしまいます。

UCD - 3

行動観察や分析から導き出されたユーザニーズをあれこれ盛り込むとペルソナの目的そのものがなくなってしまうので、私たちのチームではビジネスニーズとユーザニーズに優先順位をつけました。なぜなら、結果として挙がってくるソリューションはビジネスとユーザの双方が喜ぶ Win-Win なシチュエーション(関係)を構築することができると共に、ビジネス側の人間も、一ユーザだからです。ユーザ中心設計の真骨頂がここにあります。

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