映画「ソーシャル・ネットワーク」を鑑賞しました。米国最年少の億万長者、26歳(僕と同じ年)で5800億円。Mark Zuckerberg 氏の自伝映画と称されていますが、自伝ほど単調ではありません。知的好奇心や劣等感、嫉妬、屈辱、差別が渦巻く一端を垣間見れた気がしました。
ソーシャル・ネットワーク上でユーザ同士がコネクトするように、Facebook を巡る様々な人間模様の交差が本作の見どころのひとつだと思います。スクールカーストにおけるヒエラルキーは「憧れから成る人気」を軸に構築されていて、ソーシャル・サービスが次々と誕生する中で階級社会がアメリカでも構築されつつあることが見て取れました。
Google も Twitter もそうだったように、知的好奇心からスタートアップしていく米国発のソーシャル・サービスには勢いがあります。映画の中で Napster 共同創設者で Facebook 投資家の Sean Parker 氏が言うように、パーティは11時開きではつまらない。サービスは常にクールでなければいけない。まだ勢いが続いている内は広告収入で利益を稼ごうとする志向はクールではない。シリコンバレーの投資家たち(別名エンジェル)の存在も大きいですが、利益ありきでビジネスを展開する日本ではこのような成功者は描くことができません。
人々の役に立つサービスではなく、自分が創りたいと思ったサービスを創り、それを発展させていければ結果として全世界をも虜にするサービスが生まれる瞬間があります。研究プロジェクトの一環として開発された大学の図書館検索エンジンは Google の原型となり、どこにいても自分の状況を知人に知らせたり、逆に知人の状況を把握したいという知的好奇心から Twitter が開発されました。Facebook にもその瞬間がありました。今では全世界のユーザ数が5億8000万人に達し、本作を機に日本でも爆発的にネットワークが広がることは間違いありません。週間トラフィック比較でも Facebook は Google を抜いて1位になりました。
「ソーシャル・ネットワーク」は新しい神話です。ただ、Facebook と Zuckerberg 氏はおそらくこの続きを制作しようと考えていることは間違いないと思います。
"I'm trying to make the world a more open place by helping people connect and share."
Zuckerberg 氏が自身の Facebook ページで公開しているメッセージです。