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ボトルネック

「自分と世界との関係、あるいは自分が世界に存在する意味を考える。」本質的かつ難しい題材に挑んだ、「このミステリーがすごい!2010年版」作家別投票第1位に輝いた米澤 穂信さんのミステリー作品「ボトルネック」を読了しました。

ボトルネック (新潮文庫)
ボトルネック (新潮文庫)米澤 穂信

新潮社 2009-09-29
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おすすめ平均 star
starもの凄く救いのある小説です
star自分がいない世界
star単調な展開と世界の狭さが残念

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金沢を舞台とした現実世界と非リアルな世界との接触をテーマとし、2つの世界を否応なしに比較しなければならない主人公。世界マイナス自分。自分は「ボトルネック」となってしまうのか、主人公の甘やかさない誠実さが痛々しくも、とても初々しい。パワースポットを巡り、他人と比較してみるなど、悩みに悩み奮闘する主人公の言動1つ1つが自分とパラレルで動いているかのようでした。

「瓶の首は細くなっていて、水の流れを妨げる。そこから、システム全体の効率を上げる場合の妨げとなる部分のことを、ボトルネックと呼ぶ。全体の向上のためには、まずボトルネックを排除しなければならない。」 - pp153

本作は、パラレルワールドで繰り広げられるミステリーと、前述のように現実世界に潜むミステリーが交錯する非常に読み応えのある一冊です。

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