多様なジャンルのアーティストやクリエイターを紹介する展覧会として2004年にスタートし、3年に一度の"アートの定点観測"として開催されている「六本木クロッシング2010展: 芸術は可能か?」が森美術館にてスタートしました。
第3回となる本展では「芸術は可能か?」をテーマに、西洋美術史によって定義された"美"のイメージを解体し、再構成することによる意味を体現している写真、彫刻、インスタレーション、映像、グラフィティ・アート、パフォーマンスなどの作品が展示されています。
Chim↑Pom(チン↑ポム)の作品
HITOZUKI (Kami + Sasu)のグラフィティによる SkateBoard Ramp
鈴木ヒラク氏の作品
宇治野宗輝氏の作品
「芸術は可能か?」という古くとも原点に立ち戻るような本質的な問いに対して、20世紀のスイス出身の画家で美術理論家でもあった Paul Klee 氏の言葉が印象的でした。
「芸術とは目に見えるものを描くことではなく、目に見えるようにすることだ。」
芸術は、日本という国のアイデンティティを"美"を通じて人々に訴えかけることができます。故に、美的価値は自律した価値なのではなく、社会的価値であることを再認識することができる展覧会でした。芸術は創造にだけ携わるのではなく、西洋の美術史によって定義された"美"のイメージを再構成する、いわば破壊としても携わっていることが伺えます。
「六本木クロッシング2010:芸術は可能か?」展
会場: 森美術館
スケジュール: 2010年03月20日 〜 2010年07月04日
住所: 〒106-6150 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F
電話: 03-5777-8600