宮藤官九郎が今年の夏に発表したミステリー作品「鈍獣」を観賞しました。
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ミステリーと一言でまとめてしまっても、本作はあくまでもクドカンの作品。これまで彼が手掛けてきた数々の作品を見てもわかる通り、笑いなくしてはクドカンの作品とは呼べません。
本作ではこれまで以上に独創的なキャラクターを描き、笑いが共存し難いと思われるミステリーを主体に、彼なりの表現力で突き通している作風がやはり好きです。
登場人物が独創的でありながらも、過去の体験から手繰り寄せられる記憶は人間味で溢れていました。憎しみ、悲しみ、恐怖。共感を覚えるシーンが幾つかありましたが、記録から一度は消し去った感情に気づかないように働きかけるのが人間です。感情に惑わされ、理解もしなければ後悔もしない。それが人間の本性であり、鈍い獣なんだなあとつくづく思います。