本日が最終日の「エコプロダクツ2009」に行ってきました。まず、環境関連のイベントの集客力に驚かされました。これなら、鳩山政権が今年の9月に打ち出した2020年に温暖化ガスを1990年比で25%削減への実現に向けての道筋が見えてくるかもしません。
会場の規模が東京ビッグサイトホール4つ分と大規模だったため、細部まで注意深く見て周れませんでしたが、企業のエコロジーへの配慮として以下の7項目が共通点として挙げられるのでは、と思いました。
- 生態系への環境性の配慮
- 安心・安全への配慮
- 資源への配慮
- 3R(Reuse/Reduce/Recycle)への配慮
- 経済性への配慮
- 多様なライフスタイルへの利便性の配慮
- 積極的な CSR 情報開示への配慮
SANYO の eneloop や Panasonic の econavi など気になる製品が多々ありましたが、本イベント内で自分がもっとも気になったのは『NHKスペシャル「自動車革命−スモール・ハンドレッド 新たな挑戦者たち」』というエントリーでも解説した「スマート・グリッド」構想でした。
産業内では「スマート・エネルギー・ネットワーク」と称されているようですが、これは東京ガスが取り組んでいる次世代のエネルギーシステムです。たとえば、太陽光・太陽熱や風力などの再生可能エネルギーと天然ガスを融合して環境性能に優れたエネルギーを安定供給する、あるいは天然ガスをシステムを活用して地域内や建物間で熱と電気を融通し合うということです。分散型で不安定な再生可能なエネルギーの弱点を、電力や都市ガスといった既存の大規模ネットワークで補完しながらエネルギーを賢く利用するという構想を「スマート・エネルギー・ネットワーク」と呼んでいました。
この先駆けとなっているのが東京ガスが提供する家庭用燃料電池の「エネファーム」のようです。エネルギーは買って使うものというこれまでの常識を覆し、エネルギーをつかう家からつくる家へというライフスタイルを提案しました。今回の展示会ではスマート・エネルギー・ネットワークを実現するための主要な要素の1つである「スマートメーター」が展示されていました。これはグリッド監視制御装置で、ネットワーク経由でガスの使用量をリアルタイムに把握するほか、利用者に利用状況を伝えて省エネを促して社会全体のエネルギー利用効率を高める効果を発揮してくれます。
集中型と分散型エネルギー源を効率的に電力供給するためのインフラは、電力インフラと通信インフラの融合によって実現され、供給側と需要側の高度化を促進してくれると期待されているようです。普及には目処が経っていないようですが、天然ガスの有効活用が進めば温暖化ガス25%削減は現実となってくるのではないでしょうか。そして、もう10年もすれば Web が拡張し、大きなバラダイムシフトが起こる予感がしてなりません。
スマート・エネルギー・ネットワークのように独自のシステムを開発し、推進している企業が多々ありましたが、共通して思ったことは、エコロジーのような CSR(社会的責任)からビジネスが生まれるチャンスは十分にあるということ。そして、持続可能な社会をつくり上げるためには企業は政府と協同で環境効率の向上を提唱していかなければならない、の2つでした。
また、環境分野のイベントやビジネスが成功するだけでは NG で、日常生活に浸透するような試みを引き続き実践してく必要があるのではないかと個人的には思いました。