「食い逃げされてもバイトは雇うな」とセットで読んで頂きたい一冊です。公認会計士・勝間和代氏の影響もあるかと思いますが、数字に纏わるジャンルの本が最近多く出版されているように思います。これは、不確実かつ不透明な時代だからこそ、数字やデータといった本質的な共通言語が求められていると捉えることができるのではないでしょうか。
不透明な時代を見抜く「統計思考力」 | |
おすすめ平均 難しいが勉強にはなる 分かりやすいです 少し一方的に感じるが、おもしろい グラフを見てから本文を読む 正気を保つためには Amazonで詳しく見る by G-Tools |
自分は理系ではないので数字には苦手意識があるのですが、『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』を読んでみて数学的に分析をしなくても、データを比較してみるだけで見えてくるものが違うことに気づきました。世の中で起きている現象の全てに当てはめられる方程式は存在しませんが、正規分布やべき分布、ローレンツ曲線などあらゆるデータを見分けることで数字の裏に隠されている"メッセージ"を読み解く能力こそが重要だと認識することができるので、オススメです。
「数字は言葉の一種であり、「単なる記号」以上の役割を果たしている。」- pp 76
via.「食い逃げされてもバイトは雇うな」
専門性から離れた分野に足を踏み入れてみることで、気づかなかった以外なことが見つかったりします。データを見る際に陥りがちな間違いは、一部だけを見て判断を下してしまうことだと思います。しかし、無機質なデータには特別な意味があるということを念頭に入れておくだけで、感情に流されない幅広い視点で、冷静な判断が下せるようになると思いました。
「自力で考えることの最大の敵は、自分にはわかるという過言です。いちばん難しいのは、正気を保つことなのです。正気を保つために、データ分析ほど強力な薬はないでしょう。」- pp250