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世界防災・減災ハッカソン「Race for Resilience」

記録的な大雪を観測した先週末は石巻にいました。発展途上国✕防災・減災をテーマにした、世界各国同時開催のハッカソン「Race for Resilienceに参加するためです。

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(Race for Resilience 石巻会場の参加者です。) 


Race for Resilience 石巻会場 - YouTube

「Race for Resilience」は、世界銀行東京防災ハブが今年開設されたことを記念して開催される、世界防災・減災アイディアソン、ハッカソンです。ICT(Information and Communication Technology)を防災や減災に活用し、イノベーションを推進することを目的としています。初年度となる今回は、日本を含むアジアやロンドンなどの世界各地で同時開催され、日本では東京、石巻、名古屋の3会場で行われます。

発展途上国✕防災・減災をいうテーマのもと、今年1月に行われたアイディアソンに続き、エンジニアやはてん途上国で支援を行う専門家、学生などが集い、発展途上国の防災や減災に役立つソフトウェアやハードウェアを2日間でつくりあげていくハッカソン。僕はメンター審査員として、3年前に被災した石巻の会場に参加しました。

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(石巻市内の様子。鉄道はもちろん、バスも運休のため会場までの移動が困難でした。)

初めての石巻でした。記憶にまだ新しい2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震。ぼくはネットを通じて「助け合いジャパン」の活動に参加していました。それでも被災地と物理的距離が離れていることへの無力さを痛感しました。今回は、実際に被災地に足を運び、被災された方々の言葉に耳を傾け、防災・減災に向けた素晴らしいアイディアの実現を支援すべく、石巻に参加することにしました。

石巻商業高校にて2日間に渡り開催された今回のハッカソン。参加者は40名強ほど。石巻在住の学生もいれば、僕のように東京から足を運ぶ企業の専門家の方々、国内在住の外国人の方々が参加されていました。

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(石巻会場は石巻商業高校の体育館でした。計7つのチームで競い合います。)

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(リーダーを務める石巻の男子学生とチームメンバー。学生はもちろん、外国の方も参加されています。)

ダイバーシティとグローバルな空気な東京にも負けていません。最年少は地元の小学校に通う小学六年生。ほかの参加者に負けずとも劣らないアイディアを初日にピッチしていました。興味を持ったアイディアのところに集まり、チームを構成するチームビルディングでも人気を誇っていました。

「Race for Resilience」のハッカソンは公式ルールに従い、以下のような流れで進行されていきました。

  1. アイディアのピッチ
  2. チームビルディング
  3. ブレインストーミング
  4. 解決したい問題定義の登録
  5. 解決策の詳細の登録
  6. 開発
  7. 各チームの中間発表
  8. 開発
  9. 各チームの最終発表
  10. 審査

先日開催した「リーン思考のユーザエクスペリエンス・デザイン・ワークショップ」でもご紹介した「CPS(Customer - Problem - Solution)仮説検証モデル」のアプローチとも非常に親和性が高いです。

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(絵コンテを基に必要な画面を設計している地元の女子学生。あっぱれ。)

僕自身には被災経験はありませんし、実際の現場の様子はわかるはずがありません。それでも審査員としてご招待いただいたからには少しでもお役に立とうと、審査基準の1つでもあった問題解決のユーザーニーズ適合性を、アイディアを具現化させていく過程において未熟ながらサポートさせていただきました。

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(中間発表/最終発表の様子。東京ー石巻ー名古屋と3つの会場をオンラインで繋ぎます。)

7チームの内、約半分のアイディアは地元の方からの提案でした。

  • Anti-Disaster Manga
    災害に関する知識を世界の子供達に拡げるためのメディアとして子供達が自ら取材し、つくり上げる新聞「石巻子供日々新聞」をアプリとして提供するアイディア。もはや世界に共通する日本特有の MANGA 文化を通じて世界と繋がることができる。

  • つなプラ
    AR避難訓練シミュレーター「つなプラ(津波+スナップ)」。行政や自治体から災害時のデータを収集し、津波の高さを AR 技術を用いて視覚化。避難訓練の予備知識をシミュレーター形式で提供し、防災の備えがより現実的に近いものになるアイディア。

  • Disaster Survival Toolbox
    災害時に生き残るための知恵を SNS を使って集めるアイディア。通常時と災害時でアプリのインターフェイスや機能を変更することが可能。テキストに依存した情報でもサービスにアップロードすれば他のユーザーがブラッシュアップしてくれる仕組みの提供。

これらのアイディアは、実際の経験に基いて提案されたものです。彼らとの対話のなかで感じたのは、減災を願う強い意思。この想いをどのようにサービスとして表現し、発展途上国含む世界各国の人々に伝えていけばいいのか、が重要だと思いました。

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(石巻会場の審査員席。他にも Google の及川さん、SAFECAST の Peter さんがいらっっしゃいました。)

誰かの役に立ちたい。

社会で働いているからには僅かながらでも、この想いは誰にでもあると思います。僕も同じです。そして今回のハッカソンにて開催される3つの会場(東京✕石巻✕名古屋)の内、石巻を希望させていただいたのも、この理由からです。

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(石巻会場の優勝は「つなプラ」チームでした。おめでとうございます!)

優勝チーム「つなプラ」はグローバル審査へと進み、7月にイギリスはロンドンにて開催されるグローバルアワード表彰式に向けたプレゼンテーションを世界各国の優勝チームと共に行います。通過すれば、2015年3年に国連防災世界会議にて成果発表会が行われます。僕は、引き続き彼らを支援していきたいと思っています。


尚、中間報告の動画がオンラインで配信されていますので、ぜひご覧ください。


Race for Resilience ハッカソン 2/8~9 中間プレゼン 東京&石巻 - YouTube

参加された地元石巻の方々はもちろん、同じ想いで石巻に参加された都内の専門家の方々や他の審査員の方々、そして当イベントの運営スタッフ「イトナブ*1」の方々には大変お世話になったと共に、多くを学ぶことができました。

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(石巻会場のメンター審査員の方々と。非常に勉強になりました。)

本当に、ありがとうございました。

関連リンク:

*1:イトナブとは「IT」×「イノベーション」×「営む」×「学ぶ」の造語です。 石巻の次世代を担う若者を対象にソフトウェア開発やウェブデザインを学ぶ拠点と機会を提供し、地域産業×ITという観点から雇用促進、職業訓練ができる環境づくりを目指しております。

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