オーストリア・リンツ市発祥のメディアアートの世界的祭典「アルスエレクトロニカ」の30周年を記念して、文化庁メディア芸術祭との協賛事業として開催されている 「サイバーアーツジャパン―アルスエレクトロニカの30年」展 に行って来ました。
会場は少し離れた東京語現代美術館。日本のアート&テクノロジー、メディア芸術領域の特集展として開催され、歴代の受賞者の新作や受賞作品が展示されていました。もっとも印象的だったのは山中 俊治さんプロデュースの 21_21 Design Sight の「骨」展でオープニングトークにも登場していた明和電気の土佐 信道さんが手掛けるデヴァイスアートでした。
土佐さんによると、「デヴァイスアート」はメカトロ技術や素材技術を駆使してテクノロジーの本質を見せていく新しい芸術様式。すなわち、デヴァイス自体がコンテンツとなって、人が相互作用するデヴァイスそのものが表現内容となります。とても奇妙ですが、明和電気さんの刺激的なアクティビティには心が打たれます。
(PostPet のモモちゃんもいました)
ほかにも分析的評価が評価された時空的マッピングシステムとネットワーク上のデータベースを連携させるシステムや哲学的な理論を元に構成されている錯覚を利用したインターフェースが体験できるコーナーが設置されています。坂本 龍一さんが過去の受賞イベントで「Information is obtained from living environment」と話されていたように、技術/アート/人をつなぐ人工現実感を身近に感じることができました。
最後に、平野 啓一郎さんの小説「DAWN」をモチーフに、中西 泰人さんによるインスタレーション、森野 和馬さんによる3D映像、そこにケンイシイさんの音楽が絡みある刺激的な作品も体験することができます。この映像はその作品の告知映像となっており、本展では3D映像として上映されていますので是非足を運んでみてください。
サイバーアーツジャパン―アルスエレクトロニカの30年
会場: 東京都現代美術館
スケジュール: 2010年02月02日 〜 2010年03月22日 3/22は開館、3/23休館
住所: 〒135-0022 東京都江東区三好4−1−1
電話: 03-5245-4111