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NEWTON 2009年8月号

「偶然の数学、確立」という特集が非常に興味深かったので、雑誌「NEWTON(ニュートン)」を購入してみました。"偶然"にも、購入するのは生まれて初めてでした。

Newton (ニュートン) 2009年 08月号 [雑誌]
Newton (ニュートン) 2009年 08月号 [雑誌]
ニュートンプレス 2009-06-26
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この世界の出来事には、結果が予測できる出来事と、偶然に支配され、結果が予測できない出来事の2つのタイプがあるそうです。本書は、その中でも偶然に対処するための唯一の武器として、"確立"をピックアップしています。

確立とは、ある偶然の出来事について、それが起きる割合を数字で示したものであり、人類と偶然の出来事との付き合いは、紀元前にも及ぶそうです。偶然性に満ちているギャンブルは、17世紀より盛んに行われていたと考えられ、確率論はギャンブルが生み出したと言われているようです。

例えばコイン。コインを投げる回数が少ないと、本来の確立からはかけはなされた結果が出て荒れる場合がしばしばありますが、コインを投げる回数が多いと、本来の確立に近い結果が出ます。確率論を理解する上では、長期的にものごとを捉える必要があります。

本書を読んでみると、なにもギャンブルに限ったことではなく、天気予報の降水確率や生態系、感染症の拡大、生物の進化といった現実世界の不規則で複雑な現象に対して、確立を駆使しているケースが多いことが伺えます。本書のインタビューを受けていたニューヨークのコーネル大学の数学者、リチャード・ディレット博士も以下のように話しています。

「確率論は人生のあらゆる局面に関係しているからおもしろいのです。人生の中で確率論と無関係なものを探す方が難しいくらいです。」 - pp52

確率論を駆使することで、単にアルゴリズムを理解してコンピューターに分析させるのではなく、数学的にものごとの本質をどこまで理解できるのかを探求しつづけることが大切のようです。それが、やがては偶然の出来事に対処する術となっていくのでしょうね。

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