ディア・ドクター
周囲の環境や地位によって、人物のアイデンティティが保たれているケースがあるのではないかと思ってしまいました。本作の場合、隔離されたある町の診断所を経営している笑福亭鶴瓶さん演じる医師がその1人なのかもしれません。
貢献度に紐づく知名度とその誠実さから、判断の正当性を問う者が存在しなったために、唯一の医師という"ブランド"が確立されていったのだと思います。しかしながら、あることがきっかけで、周囲の人はその医師を、知らず知らずの内に正当化していたことに気が付きはじめた瞬間があり、ミステリアスな雰囲気を醸し出していました。
それにしても、田舎って美しいですね。東京にはない緑色がスクリーン上で光っていました。ちなみに、本作は茨城県で撮影されたようです。