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第6回 #ShibuyaUX Meeting "LeanUX Redux"

第6回 ShibuyaUX ミーティングを開催しました。今回は、"LeanUX Redux"と題して2011年8月27日に開催された「実践的 User Experience ワークショップ」からの気づきをシェアすると共に、自身の職場に LeanUX を導入するにはどうすればいいのかをワークショップ形式で議論する2部構成となりました。

第1部では ShibuyaUX の運営メンバーに加え、3組のゲストスピーカーをお招きしそれぞれの視点で捉えた Lean Startup ないしは LeanUX について解説いただきました。トップバッターは ShibuyaUX 運営チームを代表して株式会社 Voyage Groupの榎本さんに発表いただきました。

Voyage Group 榎本さん

Lean Startup に適応したユーザエクスペリエンスの手法群の組み合わせを LeanUX と呼びますが、そもそも Lean Startup のベースである Eric Ries 氏の"The Lean Startup"でも定義されている Customer Development(顧客開発)のように Lean Startup はユーザ中心設計(UCD)と非常に相性が良く、利用されている各手法は、UX が UCD と呼ばれていた頃から大きく変化はしていませんが利用できる時間や人的資源が小さくなったことに対応して極限まで手法を絞っていることが特徴です。ここでは、「ウルトラライトUCD」+「アジャイルなチームマネジメント」として紹介しています。

Digital Garage 湯川さん / Open Network Lab 前田さん


Digital Garage の湯川さんと Open Network Lab の前田さんからは8月末のイベントの開催に至った背景を解説いただきました。Lean Startup の法則である"Build(創る)/ Measure(検証する)/ Learn(学ぶ)"や製品仮説と顧客仮説の検証と仮説の修正を繰り返すことで両者を一致させる"Pivot(ピボット)"などの実践をサポートしてくれるメンターシップなどの体制を充実させているようで、11月上旬にはゲスト陣が大変豪華な「Lean Startup Camp Tokyo Vol.1」 という Lean Startup の大きなイベントを開催予定とのこと。これをきっかけに Lean Startup と Lean UX が普及してくれることを期待しています。

giftee 太田さん

次に登場していただいたのは、マイクロギフトサービスとして注目を浴びている国内スタートアップの giftee です。代表の太田さんより実際に起業された立場から LeanUX の必要性を解説いただきました。不確実性が高い新規事業開発だからこそ、顧客開発モデルであったりスピーディに開発するアジャイル開発などのエッセンスを取り入れる価値があるとのこと。新規事業開発のスタート段階から LeanUX の仮説検証を進めることは、ローンチ後に訪れる様々なリスクを事前に軽減することができるというメリットがあります。

Lean Startup Japan 和波さん

最後を飾っていただいたのは、Lean Startup の国内普及活動を積極的に取り組んでいらっしゃる Lean Startup Japan の和波さんです。和波さんは8月末のイベントには参加されていませんでしたが、個人プロジェクトとして、そして Lean Startup のエバンジェリストとして活動されている様子を拝見し、総論として「"Lean Startup"を実践する2つの理由」と題し、スピードを上げ、無駄をなくすための方法論をご紹介いただきました。和波さんは、来月に開催される冒頭でもお伝えした Lean Startup のイベントでもスピーカーとして参加されるようですので、より具体的なお話が聞けることを楽しみしています。

ワークショップ

第2部では1部の発表を参考にグループに分かれ、「自身の職場に LeanUX を導入するにはどうすればいいのか」というテーマで30分のワークショップを行いました。

各グループの発表では:

  • 仮説検証の繰り返しのプロセスに上流工程の人を巻き込む
  • UX の概念を理解してもらうために社内の関係者に現場を見てもらう
  • 問題解決とビジネスの成功を両立させるための手段として応用する

など組織論にまで話が及ぶところもありましたが、参加者の皆さんの所属している業界やバックグラウンドが多種多様だったため、新たな気づきが次々と生まれ、真剣に聞き入っていました。



最後はお約束の懇親会。会場をご提供いただいた mixi さんのラウンジをお借りしました。発表いただいた皆さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!次回は Janice Fraser さんをお招きし、今回のアウトプットをベースに日本における LeanUX ないしは UCD のあるべき姿について解説いただくとともに、シリコンバレーの最新スタートアップ事例についてご紹介いただく予定ですので、乞うご期待!

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