「ひとりでは生きられないのも芸のうち」以来すっかり内田樹さんの本にはまってしまい、今年に入ってから4冊目となる「疲れすぎて眠れぬ夜のために」を購入しました。相変わらず、心が揺さぶられる程さらっと大切なことを教えてくれます。
疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫) | |
内田 樹 角川書店 2007-09-25 売り上げランキング : 3626 おすすめ平均 心のストレッチをしたような 「オヤジ」にならないために まさに疲れすぎて眠れないときに Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「…らしさ」を「アイデンティフィケーションの担保」とし、「自分探し」を「作りは話」と言い、「正しさ」の基準に従わない「自己利益」の追求を推奨するなど、数々の常識を整えてくれる内田樹さん。左記のような現代社会のイデオロギーはより複雑で感知しがたいものとなっているため、本書が掲示する「生き方のオプションの多様化」につい耳を傾けたくなります。
『不思議だと思えませんか?「あなたのことを知っている人間が誰もいない土地」に行かないと「ほんとうの自分」に会えないなんて。でも、実は不思議でもなんでもありません。それは「ほんとうの自分」というのがまるっきり「作り話」だからです。』 - pp188
決して自己啓発ではない。更に深堀りされた、もっと物事の本質を考えられる大人になりたいと思える思考が生まれます。表題のとおり、自己啓発や常識、私生活において疲れてしまった人にお勧めです。