東京ミッドタウン「DESIGN HUB」にて開催中の「世界を変えるデザイン展」に行ってきました。
世界の総人口の約70%を占めるといわれている発展途上国における貧困層の生活水準の向上を目的としたデザインを紹介するイベントで、第1回となる本展では現地の人々の生活視点や発想に着目した80点にも及ぶプロダクト・デザインが展示されていました。現代を象徴するようなスタイリッシュなデザインというよりは、IDEO のように人々の生活に密着した機能ドリブンのプロダクトやプロジェクトが多かった印象です。
発展途上国への展開に際して、現地の環境からコミュニケーションまでをも視野に入れて、幅広くデザインの根本から議論をしていく必要があります。機能(プロダクト)の柔軟性や安全性、公平性への担保が問われますが、全ての人々にとって使いやすく設計することを目的とした「ユニバーサル・デザイン」が1つの指標になってくるのかなと思いました。実際に「ユニバーサル・デザインの7原則」を頭に入れながら見てみると、ユニバーサル・デザインの高い汎用性を改めて実感できます。
展示会自体の目新しさはありませんが、原因(Cause)から着想(Ideation)までの発想の流れが作品とともに分かりやすく説明されているので、週末は多くの家族連れで賑わっていました。美しくてデザイン性が高いものだけが感性を満たすのではなく、その機能性に着目した本質的なデザインの役割を探ることが出来るいいきっかけになりそうです。
「世界を変えるデザイン展」
会場: 東京ミッドタウン・デザインハブ
スケジュール: 2010年05月15日 〜 2010年06月13日 11:00 〜 19:00、土日祝日も開館
住所: 〒107-6205 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F
電話: 03-6743-3776