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グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業

iモードの父」と呼ばれる夏野 剛氏の新書「グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業」を読了しました。タイトルを拝見したときに一瞬ドキッとしましたが、「ウェブはバカと暇人のもの」と似ている所があります。

グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業 (幻冬舎新書)
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star夏野氏の新しい立ち位置がおもしろい
star初心者向けにはいいかも
star団塊世代の経営者糾弾の本。「バカ経営者よ去れ!」が正しいタイトル。

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これだけ「バカバカ」言われると不愉快ではありますが、両著は根底として「インターネットを使うのだから新しいことができるだろう」ではなく、「自分のビジネスをウェブを使ってどう発展させていくか」に着目した方向性を謳っています。

Web 2.0 という概念が誕生し、クラウド・コンピューティング技術が注目を浴びている昨今ですが、進化しているのはネットではなく、技術だということをまずは認識する必要があると思いました。

「ネットビジネスがうまくいかないのは、やっている側に問題があるのだ」の言葉から読み取れるように、新しい技術があるから波に乗ってみよう、ではなく自分のビジネスの本質をしっかりと認識した上で判断をすべきである、という考え方が印象的でした。ネットだろうと、リアルだろうとビジネスの本質は変わらないため、リアルビジネスで失敗している企業はウェブでも失敗をすることを前提として認識する必要がありそうです。

「実は、ウェブや IT というのは、単なるツールにすぎない。つまり、自分が手掛けている商売の本質は、ウェブになっても何ら変わらないのだ。」- pp29

リアルでもウェブでも、ビジネスの本質は不変的ということは、ユーザ要件は同じのはずです。にも関わらず、UI に注目せず、ネットのテクノロジーや商品数などに目が向きすぎているという UI に特化したお話もありました。職業柄、ユーザインターフェースを真剣に考える必要性をここまで打ち出しておられる著者に脱帽です。

「本当に顧客が求めているものだろうか?」を接点とした、フロント側と経営陣を含めた責任者との刷り合わせが重要であることが伺えます。

「自分のビジネスに効果があるから、それを根とで展開する、そのためのツールがネットの技術なのである。もう一度言う。技術は、ビジネスを生まない。ウェブは単なるツールであり、進化するのは技術だけである。」- pp 58

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