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借りぐらしのアリエッティ

スタジオジブリの新作映画「借りぐらしのアリエッティ」の原作がメアリー・ノートンの児童文学「床下の小人たち」であることを、観賞した後に知りました。

それでも、幼少期のころに思い描いていた空想の世界が突然目の前に現れたのでとても懐かしく、身近に感じます。ファンタジーとわかっていながらも、帰宅したら本当にアリエッティに出会えるかもしれない。そんな期待感が映画を観終わった後も持続する、音楽も含めてディテールまでこだわったジブリの世界観が本作でも炸裂しています。

ポイントは「借りぐらし」。石けんやクッキーやお砂糖、電気やガスなど、自分たちの暮らしに必要なモノを必要な分だけ人間から借りて来て暮らすそのライフスタイルは、現代社会そのものでした。

『しかし、いま、なぜ、「床下の小人たち」なのか? その質問をすると、宮さんは苦し紛れにいろんなことを言い出しました。この話の中に登場する「借りぐらし」という設定がいい。今の時代にぴったりだ。大衆消費の時代が終わりかけている。そういうときに、ものを買うんじゃなくて借りてくるという発想は、不景気もあるけど、時代がそうなってきたことの証だとも説明してくれました。』 - 借りぐらしのアリエッティ―メッセ―ジ

結局のところ、人は自立して生きていくしかないわけで、他人やモノに支えられながら生きていると思います。アリエッティのように人間社会から隔離された世界であろうとも、それは決して淋しいことではない。孤独ではなく、独立。それでも生き続けようと努力している小人たちの信念は深く、それでいてとても美しく思えました。

日々の生活がまるで短編小説で成り立っているかのように。

仮ぐらしのアリエッティ 7月17日ロードショー

本作の公開に合わせて、アリエッティの世界を体感できる「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」 が同時に開催されているようなので、そちらにも足を運んでみたいと思います。

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