隈 研吾&石井 裕 夜更けのクリエイティブ・トークセッション in アクシスギャラリー

石井さんにお会いするのは今年1月に開催された AXIS フォーラム「MITメディアラボ 副所長・教授 石井 裕氏 講演会」以来でした。第二弾となる「隈 研吾&石井 裕 夜更けのクリエイティブ・トークセッション in アクシスギャラリー」が昨日、同じく AXIS ギャラリーにて開催されました。

Relief,an actuated tabletop display

今回は建築家の隈 研吾さんとの対談形式で行なわれ、石井さんが掲げる「10のキーワード」についてピンポン・トークが繰り広げられました。お二方の独創的な視点とアプローチがとても印象的で、本当に夜更かししても足りないくらいのボリューム感でしたが、対談内容を個人的に10個のキーワードに整理してみました。


  1. Zero G, Defy Gravity (重力を疑う)

  2. 空気で呼吸している建築

  3. 建築が記憶をもっている

  4. 言葉は事後的に登場する

  5. 存在を信じられる為に言葉(カタチ)を与える

  6. Information Ecology(情報の生態系)

  7. 愛板/iPad

  8. コンセプトを3つ

  9. 建築はアーキテクチャに戻らなければ行けない

  10. 行き着くところは存在、リアリティ、メモリー、そしてタンジブル

空気、境界、物質、飛躍、想像…という共通のテーマを別々の切り口でお話しされている中でも、辿りつく先は存在感だったり現実感を取り巻く「Tangible(タンジブル)」という共通のコンセプトでした。

石井さんと docomo の "Who is my boss?" キャンペーンで登場したダース・ベーダー bot との遣り取りもその象徴です。一方的なマスに対して双方向のインタラクションの場を提供している Twitter 上でアプローチし、逆説的なマーケティング手法を実施した石井さんは、ダース・ベーダーとの遣り取りを通じてリアリティーを見出そうとしていたのだと思います。

機械的な発言を繰り返す bot を1つの物質と捉え、その実態を感知したいが故に接触を続ける。石井さんは、自ら掲げているコンセプトを実践することで、タンジブルは、人類の内発的な創造であることを(フォースを使って)証明したのだと思います。

コンセプトを3つ。この言葉が刺さりました。「ゴールデン・コンセプト」の著者である岸さんにお褒めの言葉をいただいた自分のライフワーク・コンセプト「First Penguin(真っ先に飛び込む勇者)」も、そろそろミドルミニマム・レベルに分解して言葉(カタチ)を与えなければ。

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