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UXploration

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なぜiPadでFlashは使えないのか

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米アップルが発表したタブレット端末「iPad」に Flash は採用されるか否かに関する議論がネット上で白熱しています。このブログでも「アップルがFlashを採用しないたった1つの理由」でピックアップさせていただきました。中には Flash を採用しない=ネット上の約8割の情報にアクセスできないと訴えている記事もありますが、アップルが提供しているユーザ体験云々よりもユーザビリティの側面から Flash の採用を必要としていない Flash デベロッパーがいました。

"Current Flash sites could never be made work well on any touchscreen device, and this cannot be solved by Apple, Adobe, or magical new hardware.

That’s not because of slow mobile performance, battery drain or crashes. It’s because of the hover or mouseover problem." - via. An Adobe Flash developer on why the iPad can’t use Flash

インタラクション・デザイナーである Morgan Adams さんの記事です。彼曰く、Flash はマルチタッチスクリーンを搭載しているデヴァイス上では機能はしない。それが例え、アップルやアドビでも、画期的なハードウェアが誕生しても。モバイルとしての機能速度が落ちることやバッテリーの消費量が多いことが問題なのではなく、マウスオーバー時のインタラクションが問題であると訴えています。

ポップアップやドラッグ&ドロップなど視覚的な表現を Flash で実現している多くのメニューやビデオプレーヤーなどのコンテンツはマウスポインターを必要としていて、マウスオーバー(hover)された際のインタラクションをベースに形作られています。Flash はウェブとユーザ間のインタラクションを可能にしているプラグインなので必然的ではありますが、タッチスクリーンを配慮した作りになっていないのが懸念点として挙げられています。

解決案としては、Flash をマルチタッチスクリーン仕様に作り変えることが最適だと考えられますが、莫大な費用が掛ってしまい、タッチスクリーンとそうではないデヴァイスの出し別けも現実的ではありません。ユーザも、新たに作り変えられた Flash を求めているのではなく、既に存在しているサイトをマルチタッチ上で実装されていることを期待しています。

"New Flash content designed just for touchscreens can be done, but people want existing Flash sites to work. All of them—not just some here and there—and in a usable manner. That’s impossible no matter what."

一方で、身体的なジェスチャー表現を別途用いた場合はどうなのでしょうか。タッチの強弱でインタラクションの区別をつけたり、指の先に視覚的なマウスを表示させるなどの例が挙げられていますが、それではマルチタッチスクリーンの最大のメリットである直感的な操作性が失われてしまいます。

どちらにせよ、アップルが Flash を採用しない理由はスローパフォーマンスやバッテリーの消費量の多さとかではなかった。アップルがこれまで iPod をはじめとするマルチタッチスクリーン上で提供してきた一部のユーザ体験を維持するためには Flash は求めていないということになります。Flash を採用しないからといって iPad の本質的な価値は下がるわけではないので、個人的には気にしていないです。

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