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UXploration

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見通す力

literature

NHK 週刊こどもニュースでお父さん役を務め、今ではフリージャーナリストとして活動されている池上 彰さんの「見通す力」を読了しました。池上さんは NHK で報道の担当もされていたので、各種メディアの特性を活かした情報収集のフィルタリングやアテンション・コントロールのポイントが抑えられていて、ノマドのエッセンスも会得することができます。

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池上さんはジャーナリストとして、多くの番組で経済状況や企業の業績傾向のその後の見通しを聞かれる場合が多いため、時代を読むと共に、次に何が起こるかを予測していく力を発揮しています。本書では、その見通す力を養うために池上さんが独自で実践している情報の本質を掴む情報整理術が紹介されており、情報収集のネクスト・ステップである「見通す力」を身に着けることの重要性を説いています。

将来を「見通す」ための作業の流れ



  1. これからを見通していく「テーマ」を決める。

  2. メディアなどから情報を集める(アテンション・コントロール)

  3. 集めた情報を選別する(フィルタリング)

  4. 「仮説」を立てる

  5. 仮説を「検証」する

  6. 新たな仮説を立てる / 仮説は信頼できる

池上さんは様々なメディアを通じて情報を収集されているようですが、集まってくる情報の多くは断片的です。しかし、これらを繋ぎ合わせて仮説を立て、これからの出来事を予測してくプロセスを上記のように構造化されていました。

断片的な情報を繋ぎ合わせるポイントとして、毎日その情報をチェックしてテーマを設定する「ニュースの定点観測」がありました。仮に新聞や雑誌などを飛び飛びにチェックしていても、チェックから漏れる情報は沢山出てきます。いずれは変わった出来事や変化などの情報を目にしても、それに気づかなくなってしまう恐れがあります。人間は、似たような情報に接していないと気づかないということを認識しなければなりません。テーマを設定し、変化に気づくアテンション・コントロールのための秘訣がここにはありました。

定点観測を実践すべきメディアに新聞が挙げられます。新聞は、定期購読されている方々がほとんどのため、読者は新聞を毎日隅から隅まで読んでいることを前提に書かれている記事が多いため、定期的に目を通す必要があります。別の言い方をすればニュースの背景を分かりやすく記さなければいけないという危機感が希薄だとも言えると思います。

テレビの場合、特に民法は広告収入が主な収入源になるため、視聴率を重視します。そのため、番組づくりにあたってはどんな人が見ているのか、どんな情報を欲しがっているのか、そうしたことを徹底的に考えながら番組の構成や内容を決めていく特性を持っているようです。新聞に比べてニュースの背景を踏まえる場合が多いけれども、編集という作業が行われているため、ニュースの価値そのものよりも現場があるかないかによって判断された典型的な情報が多いのが問題です。情報の本質が掴めにくいですが、一方で NHK は民法ほど視聴率を重視しないため、視聴者に見てもらえるか、よりも重要なニュースかどうかを基準にしてニュースの中身を決めているようです。

テレビや新聞の報道で取り上げられたニュースを、それについて分かりやすく解説した雑誌が出ることがあります。雑誌は、機動性や速報性に長けており、情報の永続性、特定の情報についての掘り下げ方の要素においては新聞や書籍とも違う特性を持っています。また、雑誌は取り上げた話題に対して専門家が分析しているケースが多いため、どのような資料を基に分析してその見通しに至ったのかを読み解くことが出来るメリットがあります。専門家の思考プロセス・論理を読み解くことで、私たち自身の興味のある分野の見通しを立てる際の参考にすることができるので、有益です。

テレビ・新聞・雑誌・書籍・インターネットの特性を理解した上で得られた情報を、図式などを描いて情報同士の関連性を把握することで、仮説を立てる際に有効になるそうです(実際、週刊こどもニュースで図式やモデルを使って説明されていたのを思い出しました)。ノマド・ワークスタイルにも繋がる話ですが、なぜ情報を収集して仮説を設定する必要があるのでしょうか。それは、池上さんの最後の言葉が全てを解決してくれました。

「見通す力」は、経済や経営環境、あるいは政治といった分野だけではなく、身の周りのことにも応用できるからです。

「見通す力」のつけ方の基本は、1)情報を集め、2)その情報が信頼できるのか、あるいはそうでないのかを判断し、3)仮説を立てた上で、4)その仮説を検証しつつ、5)自分のこれからの行動を決めていく、というものです。

これは、日々の生活でもあなたが無意識に実行している手法なのです。その手法を、無意識のレベルにとどめず、あえて意識して試みてみましょう。いつかあなたの「見通す力」は格段に進歩しているはずです。 - pp224

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